学校のいじめ対応について講演しました。
本部事務所の齊藤好明弁護士が、教員の皆さんを対象に須賀川市で開かれた講演会で講師をつとめました。
この日は『弁護士から見る学校のいじめ対応』と題して,学校でのいじめの現状や法的な対応,そして現場での対応などについて話しました。
齊藤弁護士は「いじめは刑事・民事・行政の法的責任が発生する」ことを述べた後,法的仕組みとして平成25年の『いじめ対策推進法』はじめ『障害者差別解消法』『教育機会確保法』といった法整備が進んでいることを紹介しました。
『いじめ対策推進法』は,事件前後の学校及び教育委員会の隠ぺい体質が問題化した平成23年の大津いじめ自殺事件や日本人の10歳~39歳までの死亡原因で自殺がトップという現状も踏まえて整備されたことを説明しました。
また,教育現場のいじめ対策においては,現在自治体が対策の基本方針を策定し,専門職などを含めた組織の設置など進んでいますが,いじめなのか判断に迷うケースや価値観の違いから当事者に聞き取りを行っても主張する内容が異なって判断に迷う場合もでています。
こうした現状を踏まえ,齊藤弁護士は,対応を個人任せにせずチームで対応することの重要性,何よりも『いじめ』が重大な人権侵害をはらむものと認識して,発生する前に日頃から子供たちに相手の立場で考えいじめにつながる行為が無くなるように指導していくことが大切と訴えていました。